油谷湾シーカヤック

2002.9.16   内田正洋氏と油谷湾ツーリング

 この夏の最後のイベントとして、8月31日にカヤックをすることにした。早速、山口アウトドアクラブに連絡したところ、講習会等で、ツアーはないという返事。迷ったが、どうしてもカヤックがしたくなり、再びインターネットでできそうなところを探した。そうしたところ、ちょっと遠いけれども、山口県油谷町にシーカヤックのツアーをやっているサイトを見つけた。油谷町のカヌーセンターというところだった。地図で場所を確認したところ、湾になっていて安全そうだったので、ここに参加の申し込みをした。すぐに、メールで返事がきて参加OKとのこと。この日が来るのを心待ちにしていた。
 しかし、その日が近づくにつれ、台風が北上してきていて実施できるかどうかとても不安になる。2日前にメールで実施するのかどうかを確認したところ、あるという返事。前日に予報を見ると、風速17メートルというとてつもない風の予報が出ていた。今度は、電話で確認したところ、あるにはあるが、初心者にはちょっと難しいという返事。参加予定の4名のうち、初心者が2名、2回目が2名というメンバーということで、泣く泣くこの日の参加をあきらめることにした。しかし、どう考えても風速17メートルの海でシーカヤックをやるというイメージがわかない。後日聞いたことだが、この風の中で何名かは行ったそうである。(すげ〜)油谷町カヌーセンターの州澤さんは、笑顔で「こういう風の中でカヤックをするのがたまらない人もいるんだよなあ」と言っていた。本当にすっすごい・・・。

 8月31日がだめだったので、改めて、9月16日に行うことにして、予約をした。今回は、E夫妻と私の3人が参加。10時までに伊上海浜公園オートキャンプ場(ボニーベイシーカヤックセンター)に集合ということで、7時に益田を出発。曇り空で、天気が少々心配ではあったが、期待に胸ふくらませて車中をすごす。
 9時20分、やや早めに到着。
 すぐに、受付で保険の手続きをした。そのとき、「内田正洋のシーカヤッククリニックがありますが、それに参加しますか?という質問を受けた。「なんだそれは?」ということで、質問したところ、内田さんは有名な方で、日本のシーカヤックの草分け的存在ということ。ミーハーな私たちは、というか、よくわけがわからないまま、それに参加することにした。結局、この日来ていた人(20名ぐらい)は全員このクリニックに参加することとなった。
 いよいよ内田さんの登場かと思っていると、さっきからそこに座っていた人が内田さんだった。なんとなく、クリニックの開始。シーカヤックについてひととおり説明をされ、いよいよ浜に出て乗り込むというころになって、雨が降ってきた。最初は、なんとかなるような雨だったが、だんだんひどくなったので、内田さんの話を屋内で聞き、雨が止むのを待つことになった。

 内田さんの話は、シーカヤックをやったら今までにない視点でものが見れるようになるということや、シーマンシップについて、日本人と他の国の人の違いについて、日本とは黒潮という大きな流れの中洲でしかないというような話しなど聞いていてスケールの大きさを感じるようなものが多く、いろいろ冒険をしてきている人の話だなあとおもしろく聞かせていただいた。その話を聞きながら雨の様子を心配していたのであるが、ますます強くなり、豪雨といっても言い過ぎではないくらいの雨になった。そんな雨を見ながら、内田さんは「こういう雨はわくわくするねえ」などと言い。ああこの雨の中をやるんだなあと、妙に冷静に受け止めることができた。
 その後、屋根の下でカヤックに乗り込む方法や、パドルのこぎ方などを教えてもらった。そうこうしていると、昼食の準備ができたので、昼休憩をとる。昼食は、スパゲティーと、鶏肉のを炒めたものだった。野外で食べる食事は、本当にうまい。
 昼食後、トイレに行くときに、内田さんと2人になったので、シーカヤックを始めたきっかけは何だったのかを聞くと、「カルフォルニアでバイクに乗っていたころ、友人がカヌーショップを開くことになり行って話しをしていたら、ハワイにカヤックで行くという、そんなことできるはずがないと思ったが、その数ヵ月後に本当に友人はカルフォルニアからハワイにカヤックで行ったそうで、カヤックっていうものはすごい乗り物だと思い、自分も始めた」というような話をしてくれた。
 午後になり、多少小雨になったところで、ツーリングに出かけることになった。この日のカヤックは、WATER FIELD KAYAKSのシーカヤックで、ユーヤックという艇だった。油谷のために作ったカヤックということで、ユーヤックということだった。この会社の社長さんも来ていた。私は3月に1度やってはいるが、久しぶりということで、進水するときはやはり緊張した。


いよいよ進水

 前回のシーカヤック初体験の時は、1番に沈した私だったので、今回は絶対沈だけはしないぞと、心に誓い、海に繰り出した。幸い、このユーヤックという艇は、シーカヤックだけあり、安定しており少々ではひっくりかえりそうになかった。いい艇だと感じた。重量も4メートル40ぐらいの長さの割には17.5Kgと軽量でほしいなあ、ほしいなあと思いながらパドルを操っていた。


沈だけはしないぞ!と決意した私

 この日初体験のE氏は、緊張した面持ちで、「まっすぐ進まん」とストレスをためながらのツーリングであったようである。


緊張の面持ちのE氏


船酔い気味だったそうであるが、2回目ということで、どこか余裕のE夫人


内田氏の艇をバックに

 途中、ものすごい豪雨になったが、こうも思いっきり降られると逆に心地いい感じすらしてくるのがとても不思議であった。3月の時も、冷たい海で沈する自分がなんだがかっこいいと感じたが、今回も・・・自分を痛めつけることが快感になるのであろうか?ちょっと危険。
 さて、1時間ぐらい海岸沿いにツーリングをして、岸にあがった。そこで、セルフレスキューについて講習があった。スタッフの方が、いろいろお手本を見せてくれたあと、参加者の中でやってみたい方おられますか?と聞いてきたのであるが、今回は、ウエットスーツでもないので、しり込みしていると、なんと、参加者の中で最高齢のおじさん68歳の方が名乗り出た。68歳で始めるということ自体本当にすごいことだと思うが、一人で上がれないとカヤックができないということで教えてほしいということだった。ひたすら感心。実際セルフレスキューもとても上手にこなされた。すごい。
 帰りは、行きよりもスムーズに約40分ぐらいでもとの場所に帰ってきた。せっかくなので、内田さんと記念撮影。

 雨の中ではあったが、とてもいい気持ちでツーリングすることができた。
 近くの温泉に入り体を温めて、益田に向かった。
 帰ってから、インターネットなどで、内田さんのことを調べると、パリダカに8回も出場したり、台湾から九州までシーカヤックでツーリングしたりとものすごい経歴の持ち主だった。内田正洋 ←参照。
 ますますシーカヤックの世界にのめりこみそうな予感が・・・。シーカヤック ほしいなあ。