2012年12月
(Aからの続き)
木江に向かっていく海岸沿いの道。斜面にはミカン畑がひろがり、瀬戸内独特の明るい雰囲気がただよう。
このあたりでは、造船関係も以前は盛んだったようで、その面影を残す景色もところどころで見える。
さて、木江地区が近づいてきた。・・・このルート一番のお目当てだ。漁村のような雰囲気の中に入っていくと、まず目を引いたのは木造五階建という珍しい建物。現在でも使われているらしく、生活感もあった。
こういう建物は他ではなかなかないものだと思う。ただ、観光名所の割にはあまりにも唐突に普通にありすぎて、びっくりしたくらい。まあ、そういうところも一つの味なのかもしれない。少し行くとこの島にも厳島神社があり、そこの前にもこれもまた、趣のある木造三階建のお店もあり、とてもよい感じだったので、ここでも写真を撮った。
更に進むと、古い町並みという看板があり、ここから本番なのであろう。しかし、細い路地を入っていくと、ここも、普通に生活している感じで、観光資源として保存していますというふうではなく、壊れかけた部分もそのままのところも結構あり、あれ?と思うこともあった。
よく見ると、ここも、3階建てなども当たり前のようにたくさんあり、昔はにぎわっていたのだろうと想像できる。本腰を入れて、修理などすると、本当に素敵な古い町並としてよみがえるだろうと思う。まあ、そうするためには、財源が必要で、今の不景気な状況下ではそれも、なかなか大変なことだとは思う。
街中の途中に神社があり、そこの銀杏があまりにも見事だったので、紅葉撮影にはやがわり。α300で何枚も写真を撮った。
木江の町をあとにして、先へ進む。
すると、ついにぽつぽつと雨が降り始めた。少しいたら止むのでは?という淡い期待のもと、そのままぬれながら進んでいたが、雨足は強まるばかり。昼食場所まではなんとか行こうかと考えていたが、そういった施設もありそうにない。仕方なく、雨宿りをして、そこで、レインコートの上下を着た。
「つぎはぎ日本一周」でこれが活躍するのも久しぶりだ。最近はラッキーなことに割りと天候には恵まれていた。
まあ、そうは言っても、今回は雨。それはそれで受け止めるしかない。雨の中でも、このレインコートを着ると本当に心強い。
雨の中を自転車で進むという絵は、見ている人にとったら、そうとうつらそうだと思うのだが、防水さえしっかりしていれば、見ているほどではなく、割と平気なものだ。自転車をこいでいるので、そこまで、寒いということもない、ただ、防水がうまくできず、水が入ってきたら話しは別で、地獄を見ることになる。今回は、手はグローブが防水を保ってくれたので、大丈夫だった。しかし、足は途中で、時々水がすーっと靴下の中に入ってきてしまうことがあった。足は長靴とかでない限り、防水をキープするのはなかなか難しいのかも。
雨の中を進むので、写真とか、撮る余裕もあまりなくなった。時としてはっとさせられる風景に出会うのだが、α300は防水のため、ビニールにいれ、リュックにしまいこんでしまった。そこで、コンデジを取り出して、撮影をした。やはり、紅葉が綺麗なところが何箇所かあった。
一度この雨の中、道を間違えて、行き止まりまで行き、引き返したのだが、雨の中で多少精神的なダメージはあったものの、最初にも書いたが、一人旅の気楽さ、「まっなんとかなるさ!」だ。
(続く)