海外研修日誌

9月28日(木)

 11時成田発ロンドン行きのブリティッシュ航空に乗る。
 海外研修に出るという実感のないまま、いよいよイギリスへ向けて出発である。飛行機には何度か乗ってある程度は慣れているつもりだが、今回は12時間半ということで、何か変な気分である。  コース変更のため、少し長く待たされて、11時20分ごろ出発。離陸の時の感覚は何度乗ってもあまり気分がいいものではない。ブリティッシュエアラインの飛行機ということで、英語を話せないと困るかと思っていたが、日本語でのアナウンス、日本人による機内サービスと困ることはなかった。スチワーデスは女性という概念があったが、このブリティッシュエアラインは、男性の客室乗務員がいた。客あたりもよく、不自然な感じがまったくしなかった。
 残念ながら窓の近くではなかったので、外の様子はあまり見ることができなかったが、座席にそなえつけてある液晶の画面により、随時、現在の飛行航路や高度、気温風速、時速などが映し出されていた。日本をまず北上してロシアからノルーウェイそしてイギリスという航路をたどる。日本を北上する時は、あっという間と感じたが、その後は行っても行ってもロシア上空で、ロシアの広さを改めて感じた。液晶を見ると高度が10000メートル、外気温が、摂氏マイナス63度という感じで想像を絶する状態の中を飛行していることに驚かされた。客室は気圧の調整がしているから大丈夫なのだろうが、貨物室などはその状態でもたえられるようなものしか乗せることができないらしい。同じ団体の土井さんは100円ライターをスーツケースにいれていたらチェックが入り、手荷物に入れるように要求されたとういう、やはりこれも気圧の関係で爆発したりしないようにとのことらしい。  飛行をはじめてちょっとすると、早速機内サービスが開始された。機内では飲み物は何杯飲んでもいいということだった。コーラをたのみ、のどをうるおす。私はアルコールがあまり好きではないので、ビールは飲まなかったが、好きな人は本当に幸せそうに飲んでいた。 
 飲み物のサービスが終わってちょっとすると、すぐに機内食が運ばれてきた。食事の内容はチキンのホイル焼きのようなものと、サラダ、パンそしてケーキだった。その後機内を暗くして眠りにはいる。
 液晶の画面にはいろいろな映画を放映していた。日本語ふきかえのディズニーの「ターザン」といくつか字幕スーパーがはいった映画があったのでそれを見て時間をつぶした。何度か飲み物をすすめられたが、貧乏性のため、必ず飲んだ。そのために、四回ぐらいトイレに行った。飛行機のトイレは今回が初めてで少しうれしかった。水を流す時にものすごい勢いで吸い込まれていくのだが、ひょっとして空気中にほうりだされているのかなあと疑問に思った。はたして真実はいかに…。
 あと2時間ぐらいでヒースロー空港につくというころになって、ノルーウェーの上空ぐらいだったと思うが、もう一度機内食が出された。今回は太刀魚のボイル焼きのようなものとライス、果物だった。
 12時間半という長い時間飛行機に乗っていたが、いよいよヒースローに到着である。イギリスの地に初めて立つのである。ヒースローには20分遅れぐらいで到着。ロンドンはこの研修の後半に行くことになっているので、そのまま空港の中だけで乗り継ぎを行う。出国手続きは、こんどこそ英語で質問されると飛行機の中で練習をしていたことを思い出していた。
 パスポートを見せて?と聞かれたら。
「Please.
旅行の目的を聞かれたら
「School visit!
何日ぐらい滞在するかを聞かれたら
「About two weeks.
などと頭の中で繰り返していた。
 しかし、飛行機がおくれていたこともあり、一人一人の出国手続きはほとんどおこなわず、パスポートを見せるぐらいで、次のエジンバラ行きの飛行機に乗りこむことになった。英語を使わなかったことでほっとするやら、ちょっと残念やら複雑な心境だった。まあ、エジンバラにつけば周りは英国人だらけなので、きっと使いたくなくても使わざるおえない状況がまっているはずである。
 ヒースローから、エジンバラまでイギリスの国内を飛行機での移動となる。今度はラッキーなことに窓辺の席だった。イギリスの国を空から堪能した。意外だったのは、広大な牧草地がずっと続いているということだった。イギリスといえば産業革命が有名だが、イメージとしては工業地帯が広がっていて、ところどころに緑があるのではと思っていたが、実際には緑、緑、緑であった。また、特徴的なことに日本ではある程度の農地があれば、その近くに家があるのであるが、イギリスのそれは、広大な農地があるいが、家はなかなか見えない。家は集落としてまとまって存在していた。集落を過ぎるとまた、広大な牧草地が続くという繰り返しであった。もう一つ感じたことは、日本のような山がないということだった。上空から見るとほとんど平らでなだらかな土地が続いているという印象だった。実際イギリスには高い山は存在しないということを後で、井上添乗員さんから聞かされる。この飛行機でもちょっとした機内食がでた。今日で3回目である。8時間時差があるので、今日1日は32時間あったことになるので、3食たべても変ではないのだが、やはり体は不自然であった。時差ぼけということもあるが…。
 エジンバラについた時は午後の6時を過ぎていた。日本時間は真夜中の2時ということでやはり、ぼーっとしていた。この時差ぼけをはやいところ解消して元気はつらつでイギリスの国を観光し、研修したいと思った。でもやはり、眠たい。
 エジンバラの空港でトラベラーズチェックの一部を現金に変えた。ここで初めて知ったのだが、イギリスにはお札が3種類あり、イングランド発行のお札、スコットランド発行のお札、北アイルランド発行のお札ということである。当然エジンバラはスコットランド発行のお札をくれた。一つの国なのに、3種類のお札があるということに驚かされる。ガイドさんのいうことには、スコットランド、北アイルランド紙幣は、国際通貨ではないので、イギリス以外ではつかえないので、先にイングランド通貨をつかうようにという忠告があった。ワールドカップのサッカーの予選もイギリスとしてではなくイングランド、スコットランドなどイギリスでたしか4つのチームとして予選を戦っていたように思うが、こういったお札にもサッカー同様イギリスの複雑なところが伺えるなあと思った。

 この日の夜は本当は班ごとに会食をする予定であったが、機内食を食べたこともあり軽くパブに行って終わろうということになった。ホテルの近くのパブでハーフパイントほどラガービールを飲んだ。日本だとつまみをたのみ、それをほおばりながらのビールとなるのだが、こちらイギリスはビールを楽しむとういうことらしいが、つまみはなかった。ただ、ひたすらビールだけを飲むというスタイルだった。アルコールが好きではない私には、酒の席ではつまみがすくいなのだが、飲むだけとなると少々苦痛であった。
 そこを出て、近くのスーパーマーケットでパンとクッキー、コーラを買ってホテルの部屋でつまみの分ほどお腹に入れた。スーパーは、10時まで開いており、結構広くて、いろいろな物が売ってあり便利であった。いろいろなものがあったが、そこには寿司のパックまで売っていた。このパックについてはのちほど…。
 長い長い32時間の1日が終わった。

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