「大造じいさんとがん」4場面教材解釈

教材

残雪は,大造じいさんのおりの中で,一冬をこしました。春になると,そのむねのきずも治り,体力も元のようになりました。

 ある晴れた春の朝でした。じいさんは,おりのふたをいっぱいに開けてやりました。残雪は,あの長い首をかたむけて,とつぜんに広がった世界におどろいたようでありました。が,

   バッシッ!

快い羽音一番。一直線に空に飛び上がりました。

 

 残雪は何におどろいたのかということを問題にしてみたい。

  子どもからは

  ○とつぜんに広がった世界に

  ○じいさんの行動に

  という意見がでると考える。その2つで対立をくんで追求させてみたい。

  「とつぜんに広がった世界に」「おどろく」ということは「ようでありました。」という推量の形の文で終わっているので,この時の事実は「あの長い首をかたむけて」という残雪の姿があるだけだと考える。そこで,その残雪の姿の直前にある事実。「じいさんは,おりのふたをいっぱいに開けてやりました。」という文章が残雪にとってのおどろき(首をかたむけて)の理由になる

  したがって,ここでは,残雪は大造じいさんの行動におどろいたということになる。

  このことを追求していけば大造じいさんはこの冬の間こうした行動は一度もしていないということになり,おとりのがんに対した接し方とことなっていることにまで気付かせることができるのではないかと思う。