第6学年国語科学習指導案
1.教材 「桃花片」(岡野薫子作 東京書籍「新しい国語
六下」)
2.本時の位置
全12時間中8時間目
3.教材解釈 (「お父さん、もっといいものが焼いてみたくないの。」そうさけんだ〜それほどでもなかったのかもしれない・・・。)
だれからも、名人の称号をささげられるようなその時期に,なぜ楊は自分が頂上に登りつめたということに疑いを持ち始めたのか。疑いが頭をもたげる,きっかけは何であったのか。
それまでの楊は,「お父さん,もっといいものが焼いてみたくないの。」というさけびが生きる支えとなって、ひたむきに命を燃やし続けてきた。それまでは決して過去を振り返ることはせず,自分の目標に向かって熱中していたのである。
だれからも名人の称号を受けるころ、幼いころ考えていた[もっといいもの]を楊は焼くことができた。頂上に登りつめたと感じ初めて過去を振り返った。そんな時、今まで気にも止めていなかった、水さしとかざり皿が目に入ってきたのである。
これがきっかけとなり疑いが頭をもたげてきたのである。否定していたはずの父の焼き物の存在が楊の心の中に大きくなるのを感じ落ち着かなくなった。
4.本時のねらい
疑いが頭をもたげてきたのはなぜかを追求する中で[父よりも「もっといいもの」を焼くためにひたむきに生きてきた楊が「もっといいもの」を実際に焼いたと思った時点で初めて過去を振り返った。そんなとき水さしとかざり皿を見たことがきっかけとなって、疑いが頭をもたげてきた]ということを理解させる。
5.展開
展開の核と主な発問 |
予想される児童の反応 |
教 え た い こ と |
予 想 さ れ る 難 関 |
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○問題の提出と
○頂上に登りつめたと思った理由は
○子どものころ思っていた[もっといいもの]は焼けたのか
○どのようにし て頂上まで登
○疑うきっかけ になったもの は何か |
1.頂上に登ったこと。 2.[もっといいもの]を焼いたこと 1
満足したから 2
人々のうわさ 1.焼けた 2.焼けていない 1
他の焼き物と 比べながら 2
ひたむきに 1過去を振り返っ たこと 2水さしとかざり 皿を見たこと
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○だれからも名人の称号をささげられるようになったのに,自分が頂上にいることに対して疑うことはおかしいということを解決させる方向で問題を追求させたい ○自分が頂上に登ったことに対して、疑う気持ちがもたげてきたのである。その結果としていいものに対する認識がゆらいだ。 ○自分が満足して頂上に登ったと感じたわけではない、人々のうわさにのぼることが第一であり、その結果とし自分の焼き物がそういう状態にあることに対して満足したのである。
○「お父さん、もっといいものが焼いてみたくないの」というさけびがエネルギーとなって、ひたむきに登ってきたのである。 ○登りつめたか-の[か]は自分を確かめる[か]である。登りつめるまでのことを振り返っているのである。また、[とうとう]にも過程意識がはいっているので、満ち足りた日を送ったことにより、それまで過去を振り返ることがなかった楊が、初めて過去を振り返ることができたのである。そして、そんな時うっすらとほこりをかむっていた水さしとかざり皿を見たことがきっかけとなって、疑う気持ちが頭をもたげたのである。 |
○問題をはっきりさせるために指示語は何をさしているのかということは早目に解決をしていかないと,何に対して疑いを持ったのかが明確でなくなり混乱する可能性がある。 ○子どもたちは満ち足りた日を送ったという言葉から、満足したので頂上にのぼりつめたと、読み取るであろうが、うわさの中でに注目させることで解決して いきたい。 ○疑う気持ちがもたげてきたのだからまだ焼けていないと考えやすいが、子どものころにさけんだ[もっといいもの] ということに限定して考えさせ、焼けていることを理解させたい。 ○[ひたむき]の意味に着目させ、楊は[もっといいもの]を焼くために他を顧みることがなかったということを理解させたい。 ○水さしとかざり皿は、今までにも目にすることができたという点で納得いかない子どもがでると思われるが、過去を振り返ったという今までと違った楊の状態で水さしとかざり皿を見たのであるということを考えさせ、理解させたい。 |
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