2002年2月14日(木)

第23回 益田教育サークル

  参加者  渡辺、伊藤、広山、大島、島田、和田、原 の 7名

 話題  学社融合フォーラム IN 綺羅星7  報告《原》
         三浦清一郎氏の講演 概要    

教育の目的は、保護から自立

子どもは、保護しなければ生きていけない存在、しかし、目指すべきものは保護を必要としない自立である。(ここに難しさがある)

    保護とは  「世話」「授与」「指示」「受容」

     この4つはそれぞれ必要なことであるが、多すぎると副作用がでる。

◇世話のしすぎは、自分でものごとができなくなる。
◇授与のしすぎは、我慢することができなくなる。感謝の気持ちがなくなる。
指示のしすぎは、自分で考えて行動できなくなる。
受容のしすぎは、わがままになる。

   という副作用がある。

  人生の予防注射と一人前のトレーニング

     原因の除去と原因への抵抗

  困難体験の意味

 結核にならないようにするためには、結核菌を死滅させるという方向と、予防接種をして、抗体反応をおこさせ、耐性をつけるという2つの方向がある。

 心身症ということが最近ホルモンの方向から、解明され心と体は一体であるということがわかってきた。そうであるならば、体の耐性をつける方法を心の耐性をつける方法に応用できるはず。困難な体験に打ち勝てるよう、ちょっと困難な体験(困難菌)を意図的にプログラムする。これによって、困難に打ち勝てる耐性を獲得することになる。

 というような内容であった。大変すばらしい講演だった。困難体験の欠損という点で耐性ができていないということは、現代の子どもたちの様子を見てまったくそのとおりだと思う。本当にプチ困難を教育課程にプログラムしていかなくてはと感じた。
 物的環境が豊かになり、意識して「授与」をしないようにすることでしか、物を大切にするという心はそだたなくなっていると思う。
 自分の子どもにもそのことは言える。「〜がほしい」という要求をすぐにのむのではなく、「誕生日まで待つこと」というように一定の条件を出し、それに耐えることで、耐性をつけていくという方向で子育てを意識している。 ほしいものを待つことでそのものに対する思いもしっかりしたものになり、結果として喜びも大きいと思う。そして、感謝の気持ちも。    

講演の報告  「和田」

「子どもの心の育ちと教育の課題」 島根大学教育学部付属臨床総合号研究センター
                 助教授 肥後 功一氏

 三浦清一郎氏の講演と相通ずるところが多くあった。
 「子どもに社会性を見につけさせるには、ルールとマナーのどちらなのかを教師がしっかり意識しておく必要がある。ルールであるならば、破った場合には懲戒をすべきである(しかる)そうでないと、やぶっても平気すなわち、社会性が育たなくなってしまう。」という話題になった。

道徳の授業報告「和田」

 苦労して自作教材を開発しただけあって、とてもよい授業だったように感じた。かわいそうで終わらせないためにはどのような手立てをうったらよいかということが話題になった。

模擬授業  国語 漢字  (基礎学力の定着)  「伊藤」

 明日、国語部会での公開授業をひかえている伊藤氏は、得意の模擬授業を行った。PCとプロジェクターをつかい、TOSSランドから漢字の書き順のサイトと、漢字にはいろいろな意味があるというサイト等をつかって、テンポのよい、受けていてとてもここちいい授業だった。

広山氏の道徳の実践発表について 宇佐美氏、のコメントについての自分なりの意見「広山」

これについては次回もう少し深く考えることになった。
国語の作文について

紙版画 「島田」

 子どもたちは大変よくやっていた。きっと満足していると思われるような作品だった。題材として、笛を吹いている様子、ケン玉をしている様子、給食を準備している様子があったが、ケン玉をしている様子の版画がとても生き生きしているように思えた。動きがあるということもあるだろうが、子どもたち自身ケン玉に対する愛着が高かったのではとも思えた。

宿題として、村野四郎の「鹿」の教材解釈が出された。