追求形態の授業

手    順 
問題つくりのポイント

 [追求形態の授業]到達点と課題             

T.「何のために」追求形態の授業に取り組むのか

◎自主性のある子をめざす   ・自分から進んで、物事に集中して取り組む

◎主体性のある子をめざす   ・自分の考えをしっかり持ち、素直に表現する

◎探求心のある子をめざす   ・分からないこと不明確なところを納得できるま

                     で追求し、真理に素直になれる。

◎心のしなやかな子をめざす  ・友達の発言に耳をかたむけ、対応し、友達と

                     交流できる。

 授業内容が発言によって深まり、すべての子どもに学習することの楽しさを味わわせたい。

 また、子どもたちの可能性が掘り起こされていくとともに、教師自身の力量も伸ばしていきたい。

U.「何を」取り組むのか(原則は同じ、どの教科にも応用していける)

 教科   国語

 領域   文学教材を中心に

V.「どう」取り組むのか

原則   ありのままの子どもから出発する

☆ 自分の考えやイメージをことば、動作、表情で対応する。

☆ 対立点を明確にして話し合う。

☆ 自分勝手な思いをせず、ことばにこだわる。

       ●分かっているようでも辞書を引く

             ・教師(2〜3種類)・・・・・・岩波書店「岩波国語辞典」

                             三省堂「新明解国語辞典」

                             角川書店「基礎日本語辞典」

                             角川書店「類語新辞典」など

             ・子ども(3年以上)・・・・・・・教育同人社「新版小学国語辞典」など

1. 手順

   (1).全文を読む 

     ●聞いている人に伝えたいものをもって読む

   (2).初発の感想を書く

     ●一次解釈(・テーマに迫るもの/テーマに関係ないもの)

   (3).初発の感想を発表する

     ●感じ方の違いを聞き分ける

   (4).中心人物を決める

   (5).個人学習をする

     ●分からない漢字の読み方を調べる(ふりがなをつけてもよい)

     ●意味の分からないことばを辞書で調べる(中高学年)

     ●大きな声でつかえずに正しく読めるように家庭学習をする

     ●「変だ、おかしい、つじつまがあわない」ところに書きこみをする

   (6).あらすじをつかみ、場面わけをする。

     ●目を向けさせるところ(・場所  ・時間の流れ ・接続語)

   (7).場面ごとに追求形態で進める

      @ 一場面を板書する(高学年は中心のところだけ)

      A 各自が音読する(みんなで声をそろえるのではなく、それぞれのペースで)

        ・しっかり息を吸って、ゆっくり読む

        ・自分のイメージで気持ちを込めて読む

      B 文に番号をつける

      C 主人公が変化したところを見つける(行動の変化 /心情の変化 /呼び方)

      D 変化の中で重大なものをさがし、大問題を作る。

       ●子どもたちから出させる

        ・低学年・・・・・・物語のはじめから順にすることが多い

        ・高学年・・・・・・テーマに迫るところから始めることが多い。これを解決するため

                  に小問題を話し合い、再び大問題に戻り解決する

       ●問題づくりのポイント(ひっかかり方を知る)

         ・時間・・・・・・ ・思いこんだのはいつ頃からか

                  ・一瞬前は何を考えていたのか

                      ・行動が完了した時何を思ったか

                      ・前後の違い

             ・場所・・・・・・ ・どこから見ていたのか→本当に見えたのか

                                    →本当に見ていたか(それは想像か) 

                                    →違うところで見るのと状況はどう違うか

                      ・どこにできたか

             ・相手・・・・・・ ・誰が、誰に、視線はどこか

                      ・相手か、自分か、両方か

                      ・誰に言わせたか

                      ・誰に言ったのか

                      ・顔つきはどうか

             ・比較・・・・・・ ・大小 強弱 全体か一部か 長いか短いか  早いか遅いか

                      ・その中でどれが一番心を打つか

                      ・表面のこと、内面のこと、 一体何を言いたいのか

                      ・内面が行動に表れているか

                      ・一口で言うとどんな感じか

             ・変化・・・・・・ ・ことばの変化。 なぜ強くなったのか、あるいは同じか(くり返し)

                      ・異常性はあるか

                      ・大事件 大転換はあるか

             ・削除・・・・・・ ・抜かしたのと、抜かさないものの違い

             ・倒置・・・・・・ ・とばして読んだらどうか

                      ・前後を変えたらどうか

             ・強調・・・・・・ ・反語、どのくらい深いか

             ・心情の比較 ・わざわざか、思いつきか

           ●問題を整理統合する(仲間分け)

             ・初歩の段階は、疑問をたくさんださせる(低学年)・・・量

                         

             ・より大切な(重要な)問題を見ぬく(4年生以上)・・・・・質

           ●問題を作ったら自分なりの予想(高学年では解釈)をさせる

             ・作った問題の吟味を行い、分類することで重要な問題の傾向を知って行く

         E.わけ(根拠となることば)を考え、話し合い、結論を出す

           ●対立点を明確にし、限定して(1行1文)ことばの裏を探る

             ・明確な時・・・・・・・どちらが当てはまるか

             ・明確でない時・・・当てはまらないものから切っていく

           ●自分の立場を挙手ではっきりさせる 
                   (分からない時はあてずっぽでもいいから、立場を決める)

           ●大問題にかみ合わない時

             ・問題をいいかえる。簡単な例を出させる。

             ・子どもがどこに疑問を持っているかをはっきりさせる

             ・初歩の疑問は「どうして〜、なんで〜したのか?」が多い。

              「どのように〜、どのような〜なのか?」というように具体的に言いかえさせる。

           ●収束

             ・全員の考えが一致する。

             ・Aの心が大きく、Bの心も、Cの心もある。

             ・一致はみないでも、そういう考え方もあるんだなあと人の考えも分かる。

             ・結論が出ないので、おいておいて、次のところを先にやる。

         Fテーマをつかむ

         G感想を述べ合う。(感想文を書いてもよい)