教材解釈の方法
教材解釈
T.教材解釈の目的
教材解釈とは、子どもたちに追求させたい対象をはっきりさせることである。
追求させたい対象とはそれを解決することで第一次理解から第二次理解へと
物語のイメージが進むようなものである。
U.[解釈の手順]
1.全文を読み粗筋をつかむ。
2.主人公の確認 主人公 ○物語の最初と最後では、いろいろな障害を
乗り越えることで、心が変化(成長)してい
る登場人物。
3.場面わけをする。(起承転結)
4.主人公の行動の変化(心情の変化)の大きい場所を探す。
5.中心場面の設定(主人公の行動・心の変化が一番大き場所)
[パターン1]
6.中心場面、特に主人公の行動の変化をした文の前後で、つじつまがあわない ことや、疑問をあげてみる。 *問題づくり
7.中心場面で大問題を設定する。:多くの場合(主人公の行動の変化の契機・
原因)を探るものになるであろう。
[パターン2]
E.中心場面で、どうしても疑問ができない場合には、一語一語、辞書で引いて みる。 動詞・助動詞・形容動詞・形容詞・副詞・助詞などに問題を糸口が
かくされている場合がある。 *問題づくり
F 問題ができたら、その中で、大問題を設定する。
(主人公の行動・心情の変化に関するものが多い)
8.大問題に関係がありそうな、その他の主人公の行動・心情の変化の場所で疑問
を考え、中心場面との関係を考える。
9.問題と問題のつながりを考える。
10.問題を解決するために、一文一文をじっくり吟味する。(辞書などを使って)
11.細かい疑問が解決し、大問題が解決して、物語に整合性ができ、最初のイメージ
と変わった場合、解釈ができたことになる。
V[問題づくり]
1.問題の種類
1行動レベルの問題〜大問題になる場合が多い
@ 行動・心情の変化の理由・契機になったものはなにか?
2 その他の問題〜大問題を解決するために解決しなくてはならい場合がある。
@ 時間(時点)いつ変わったか?主人公はいつ考えたか?1秒前はどうだったか?
どのくらい時間があったのか?
A 場所 どこから見たのか?どこにいる。 違った場所ならどうか?
B 様子 どんな顔で言ったのか?どんな様子だったのか?
C 相手 誰に言ったのか?相手が言わせたのか?顔つきはどうか?何を見ていたのか?
D 比較大小。強弱。長短。速いかゆっくりか。
E 削除文をぬかして読んだらどうなるか?
F 倒置文の順番を変えて読んだらどうなるか?
G 強調 どのくらい深いのか?繰り返しがあるか?
H 心情 わざわざか、思わずか?思いつきか?
I 指示語 何をさしているのか?
J 接続語前件と後件のつながりに矛盾はないか?
K 辞書的意味 どの使い方か?
3.目をつける言葉
→[〜動詞+みる]動詞の示す内容が目的ではなく、それをすることによって、何かを確
かめること〜何を確かめるのか。
→[〜のだ]文のまえに、何かがあって、それを説明する時に使う例えば〜毎日Aさんは
宿題を忘れるのだ。(こまったことに)が省略されている。
→[動詞+ておく]後のことを考えて、前もってするということ〜後にどんなことをしたいのか?
→[動詞+しまう]何かがすっかり終わるという意味、または、思いがけない結果になること。
〜どんな予想があったのか
→[接続語]逆説〜前件と後件に矛盾はないか(けれども)(そのうえ)(ですから)など
→[〜も]初めてではない、一つではない
→[〜へ][〜に]の違い[学校へ]は学校の方向[学校に]は学校で何かをするため
その他にもいろいろあるはず。
参考になる辞書
*岩波国語辞典(岩波書店) 新明解国語辞典(三省堂)
*基礎日本語辞典(角川書店) 表現類語辞典(東京堂出版)
*日本語の類意表現(創拓社) 日本語表現文型(アルク)