高津川ミニツーリング

2004.3.27
 連れ合いと息子たちは、宇部に帰省。私は明日体操協会の会があるため、一人残った。
 年度末の仕事があるので、それをやろうとしていたら、突然、先日から時々かかっていた大阪のKという先物取引の会社から電話があった。なんでも今ガソリンを買うと絶対もうかるというらしい。それを興奮状態でまくしたてていた。話しぶりからすると、何百万単位のことを言っているような感じだった。大阪から益田に来るとまで言った。もし来られたら大変なので、断固として断った。「そんなお金はないし、もし、今回儲かったとしても、自分の性格上その味をしめて、はまってしまい、結局は大損をして首が回らなくなるまでやってしまいそうだから儲かってもやりません。」と。しかし、相手もなかなか引き下がらないで電話で長々と進められた。絶対やらないということを再度強調して電話を切った。せっかく仕事モードに入ったところでのこの電話ものすごく気分を害した。
 外を見るといい天気。この気分をすかっとさせることと、再び電話がかかってきてはたまったものではないので、仕事モードから遊びモードに切り替えて外に出ることにした。
 前々からいつかはやろうと計画していたカヤックで「高津川を下る」に挑戦することにした。3月にカヤック?と思われるかもしれないが、3月カヤックは昨年、一昨年と行っているので抵抗はないのだ。ウエットスーツさえ着ていれば大丈夫。冬の海でサーフィンをしている人を見ればわかると思うがそれほど大変なことではないのだ。今回少し考えたのは初のソロカヤックになることだ。今まで5回ぐらい講習込みのツーリングを受けてきて大体のことは大丈夫だとは思うのだが、やや不安ではある。野田知佑氏に憧れて、カヤックを始めたので、野田氏のスタイルではあるのだが・・・。前々から考えていた方法を実践することにした。
 それはこうだ。まず、車で折りたたみ自転車を高津川の河口付近に置いておく。それからカヤックが出発できそうな上流まで車で行き、そこに車を置いて、フォールディングカヤックを組み立てて出発。河口に着いたら、カヤックを河口に置いておいて、自転車で出発地点まで行く。そこで、再び自転車を車に積み、河口に帰りカヤックを積むという方法だ。
 高津川の河口の大塚に自転車を置いておく。どのら辺りでカヤックを上陸させるといいかも考えた。本日の波の様子なら、海まで出て海岸側に上陸したらいいと考えた。
 自動車に乗り、今度は上流に向かい、カヤックの出発地点を探す。一番いいのは、河原まで、自動車が下りることができ、カヤックにスムーズに乗り込めるようなスロープのような川岸がある場所ということになる。また、河口までの行程で、カヤックを降りて担いでいかなくてはならないようなところが無い場所ということになる。(ゆくゆくは、担いで進まなければならないような上流からスタートを切りたいとも思っているが、とりあえず今回は初ソロツーリングということで・・・・)
 さて、これらの条件がそろう場所というのがなかなか見当たらないのだ。何といっても車が河原に下りることができる場所というのが皆無なのだ。錦川には、河原に下りることができる場所はたくさんあったように思うが、ここ高津川は管理が厳しいのか、川で遊ばせないようにしているのか?車で降りれるところには全部門が設置してあり、鍵がかかっていた。許可を得なければ入れないようになっているのである。ということで、河原に車を止めるのは諦めて、土手の広くなっている箇所に止めて、あとはカヤックを河原まで運ぶことにした・・・う〜重たい。
 今回は以前ホンダがあった須子町あたりからスタートすることにした。
 河原で組み立て作業。3回目になるのでだいぶ慣れてきたが、やはり20分ぐらいはかかったと思う。河原のカヤックはやっぱり絵になる。
 さて、実際準備をしてスタートしたのが正午ごろ。初のソロツーリング。カヤックを川に浮かべて乗り込もうとしたそのとき、キューベリ!といういやな音が・・・・なんとウエットスーツがカヤックの出っ張りにひっかっかって両方のお尻あたりが破れたのだ。・・・・・ショック。前回も同じようなところが小さく破れてウエットボンドで修復をしたばかりだったのに。おまけに今回は前回とは比べ物にならないくらい大きく破れてしまった。もうウエットボンドでは修復不可能だろう。うえ〜ん・・という出発になってしまった。気を取り直して水面に進む。
 前回の宮島10月以来のカヤック。水面に浮かべた瞬間、一気に気分爽快。自然に顔がほころぶ。いいなあ〜いいなあ〜。
 この時期に高津川をカヤックで下る人というのはそうそうはいないだろう。開拓者のような気分も味わいながらパドルをゆっくりゆっくり動かす。川、特に今回のような下流域のいいところは、必死になってこがなくてもいいというところだ。流れにまかせて、ゆっくりゆっくり景色を楽しみながら進むことができる。
 飯田のつり橋が見えてきた。橋の上を自動車が通っているが、カヤックが通っているのをものめずらしそうに眺めているのがわかった。確かにここ、高津川ではカヤックをする人は錦川などに比べるとほとんどいないといってもいいのではないか?上流の日原には道の駅にも艇庫もあり頻繁にカヤックをしているらしいが、ここら辺りで私自身カヤックをしている人を見たことが無いのだ。
 更に進むと、特徴的な形をしている高角橋が見えて来た。
そこを過ぎたところで、昼食をとることにした。今回はコンビニ弁当である。いつかは、バーナーを積んできて、こういうところで調理をして食べてもいいなあと思った。
 しかし、コンビニ弁当でも、カヤックに乗ってきて、中洲で弁当を食べるというのはなんと贅沢なことだろうと思う。気持ちいい時間をすごした。

 ここら辺りまで下ってきて、高津川の川べりには案外桜がないということに気がついた。お花見ツーリングの気分もあったのだが、桜がない・・・。益田川の川べりには桜は結構あるのであるが。高津川にも桜がたくさんあると、お花見をする場所もできそうな気がする。益田には松江の城山のようにお花見スポットで大きなのが無いような気がするので、高津川をそうしたスポットにするというのはどうであろうか?河原に桜を植えるのは防災上好ましくないのかもしれないが・・・・。
 昼食休憩を終え、再びカヤックに乗る。高津川は思ったほど川幅が広くなく、下流域は町中を通っているということもあり、意外な発見には出くわさなかった。錦川の時は、川幅が広く何本も支流に別れているようなところもあり、カヤックでないと見ることができないような場所もあったのだが、ここ高津川はそういった変化を味わうことはできなかった。
 それでも、ちょっとした面白い風景はところどころあった。
 



 JRの鉄橋、高津大橋と過ぎていく。高津大橋の下あたりから風も強くなり、波も少したってきた。海の雰囲気が近づいてきた感じである。バイパスのためにもう一つ橋をかける工事をしていた。
 河口に近づくとカモメがたくさん水面に浮かんでいた。カヤックでは音もなく近づけるので、結構近づくことができるのも面白い。
 海まで出ようとも考えたが、河口のところに大きな工事用の船がいたのと、少し風も出てきたので、今回は川岸に上陸することにした。

 上陸するとき、地元の人が近寄ってきて、不思議そうに眺めていた。それはそうだろう。3月のこの時期にカヤックで1人上陸してきたのだ。不法入国者に間違われてはまずいので、こちらからあいさつをした。
 河口にカヤックを置いておいて、今度は自転車で上流に行く。さっきまで、カヤックで下っていた川を今度は土手から眺めた。
 初めてのソロツーリングだったが、とても気持ちがよかった。次回は是非海に挑戦したいと思う。
カヤック
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