9月29日(金)

 長い長い1日が終わったと思ったら、すぐに朝がやってきた。というより、目がさめてしまった。現地時間の午前4時、日本時間だと正午である。エジンバラの朝はとっても美しく物語のなかにいるかのような錯覚を覚える。建物という建物が18世紀から19世紀のもので、街全体が、歴史的な文化遺産という感じである。本当にどこを向いても絵になる街だ。
 朝食をとり、この研修全体の打ち合わせの9時までに時間があったので、同室の永海さんとともにエジンバラの街を散歩にいくことにした。ホテル自体も1823年からあるというもので、歴史的な香りをただよわせながら、中は現代風の快適なものになっていた。このホテルのロケーションも最高のところにあり、まわりはほとんど全部観光地という場所にあった。そうしたこともあって、本当に歩いてぐるっとするだけなのに、その景色にあっとうされて何枚も何枚も写真をとってしまった。建物のすばらしさに目を奪われていたが、よく見るとガーデニングが盛んな国だけあって、ちょっとした空間の草花の配置や、芝生などもとても美しいものがあった。そこ走っている自動車も不思議と風景にマッチしており全体が美しい絵画のようであった。

エジンバラの街並

ウェーバリー駅の前にて撮影

 この研修の打ち合わせを行う。事前の研修で知っていたことがほとんどだったが、チェスターの教育委員会が大変協力的で、訪問する学校数が予定よりも多くなっていた。そのため、日本紹介の授業など予定では渉外係りがやることになっていたが、我々小学校の教員は全員することになった。イギリスの子どもたちを前にして授業をするという経験はそうめったにできるものではないので、光栄に思わなければならないはずだが、やはり緊張してしまいそうで、できることならのがれたいというのが本心である。でも、まあやるからにはしっかりやりたいと思う。
 歓迎レセプションで披露する踊り、「きんにゃもにゃ」の練習をする。「きんにゃもにゃ」は隠岐の伝統芸能で、結婚式の披露宴などのめでたい席で踊る踊りということだが、同じ島根県に住んでいながら、この踊りを知らなかった。踊り自体は決められたステップ、動きの繰り返しなので簡単なはずなのだが、私は完全には覚えきれなかった。
 打ち合わせの後、グラスゴーにバスに乗って見学に行く。グラスゴーは、スコットランド最大の都市として発展してきた町だが、やはり歴史的な町並を残した素敵なところだった。最初に昼食を地元のレストランでのだが、日本の昼食の感覚では、1品1品の間が異常に長いので、正直言っていらいらした。ゆっくり話しながら食べるという文化を持つイギリスの昼食は、いつも15分で終わっている私には長すぎた。しかし、でて来る料理自体は大変おいしいもので、マスのムニエルなどいい味を出していた。また、最後に出たケーキもとってもかわいいもので甘さも上品な感じでよかった。

グラスゴー大聖堂

1136年に完成した大聖堂で宗教改革の中でもほぼ完全な形で破壊されずにのこった貴重な大聖堂。




上品な甘さのケーキ

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