オール島根教育交流会報告
日時 2004.1.6 
会場 教育会館会議室
参加者 15名
参加者全員から話題の提供があった。話題を全部ここに書き上げることはできないので、私の印象に残っている文章や、そのときの話し合いの内容などを紹介する。
秋田先生より
 学力保証のための教員の力量が乏しい理由 
◇ 「一人残らず全員にできるようにさせる」という意識を教員が持っていないのではないか?という問題提起 
◇授業力量と基礎学力保証の力量は別という意識を持っているか?
◇授業の研究は全国各地で行われているが、学力をつけているか?ということに関しての研究はほとんどさなれていないのが現状。 
 我々の一番大切なことは『教える』ということ
◇授業の中に必ず教師の説話を入れるようにするといい。どうしたら子どもが気持ちよく、そのことに向かい合うようになるのか?ということを意識して教材との出会いや、これから取り組ませたいと思っていることとの出会いを考える。
 秋田先生の教育に対する思いは本当に熱い。特に全員を何とかしていこうという気持ちが大切だということを力説されていた。個性を大切にという言葉のかげで、放置されている子どもがいるのではないか?という危険性を指摘しておられる。教師はその年受け持った子どもに全力で向かい合い力を付けさせていく仕事。駅伝のように担任から担任へ全力で引き継いでいくこと、それが尊いということを言われた。
伝統的な工業で何を教えるか? という話題
 その工業が発達した上で重要な土地の条件や気候 その工業にたずさわる人々がどのような工夫をして仕事をしているか?
 電話でポートフォリオを広めた鈴木敏江にたずねたことがあるということで、紹介された話
・・・・プロジェクト学習 テーマとゴールを設定して学習していく。松江の例  日本一の国際文化観光都市にしよう! 松江駅に国際文化観光都市の証拠を見つけにいこう。 ポートフォリオ 何をするか? 振り返り  ・・・・能動性に役に立つかも。しかし、時間的な課題が残る。
 総合的な学習にはこのプロジェクト学習というのは大変効果があるように思えた。ややもすると、途中何をしているのか、なんのためにこの活動をしているのかがわからなくなりやすい総合的な学習であるが、この方法だとそれはなくなり、活動に意味づけができる。しかし、実際にこのプロジェクト学習を取り組まれた方から、「教師も子どももしんどかった」という感想もあった。テーマとゴールの設定があまりに大きすぎると負担が来るのかもしれない。参考にして今後取り組んでみたいと思った。
田中量雄さん現在は中学校教頭より
  小学校教諭のときのビデオ 小規模校での表現(全校)「かさじぞう」 
 すごいの一言。子どもの価値観と教師の価値観が同じ方向を向いている。子どもが表現をすることをほこりに思っているように堂々としていた。戸田淳子さんの表現を彷彿させるとてもすばらしい表現だった。子ども一人一人が大きく見える。しかし、表現や合唱は、言葉で伝えることはとても難しい。
田中量雄さん
 阿保小学校公開研究会の報告
 表現や合唱はすばらしかったという報告。森川学級の授業はいい感じであったが、他の学級の授業はいろいろ問題点も多いという報告だった。追求形態の授業は本当に高段の芸のように、修行に修行を重ねないと自分のものにはならないのかも・・・・。
広山さんより
著作権の関係でボツになった「とっておきの道徳の授業V」の原稿
 以前益田のサークルでも話題になったもの。谷川俊太郎の友だちの絵本を使った授業である。
やはり、絵本には力がある。直接教師が話しをするよりも、他の出来事や事実、絵本などで、それを感じさせるような授業の方が、子どもには残るのではという気がした。
 フィクションを同じ土俵の上で話し合うことには無理が生じる。ノンフィクションがと、話し合いができる。というようなことも話題になった。
 白築さん
 理科・・・・教科書どおり、指導書どおりに授業をしていて、何のためにこの単元があるか?この実験があるのか疑問に思った。まとめの学習で、単元の発展的なことについて夢を広げるような話をしたり、科学的な面白さについて実験したりと工夫していくようになった。インターネットで調べると1時間ぐらいで結構使える資料なネタがみつかる。
 実際毎日5時間から6時間いろいろな教科を授業しなければならない小学校教員にとって、この授業は何のために行うのかという肝心なところを考えず、ただなんとなく教科書にあるからと授業をしてしまうことがある。その点を指摘した話題。
 今やっている単元の発展は何か?どこへつながっているのか?ということを意識していることと、それにつながるデータを持っていることで、現在やっている単元の押さえどころがはっきりし、授業自体も深まりのあるものになるだろうと思う。意識して授業に臨みたいと思った。
佐々木夫妻より
 大森修さんが校長の学校の英語学習(総合的な学習)のビデオの紹介
 教師は全て英語を使っていた。フラッシュカードを活用して、非常にテンポのよい授業。ジェスチャーゲームを英語でやっていた。フラッシュカードは知っていたが、このビデオを見て、まだまだいろいろなところで活用してもいいと思った。例えば、漢字の読みなど。
鹿島さんより
 図工 版画 ちゃぼ
 六日市時代に私も取り組んだ。そのときは、毎時間H君とKさんが鳥小屋から鶏をかかえて、体育館のオープンスペースにつれてきて、丸イスの上に乗せてスケッチしていたことを思い出した。
 そのときと同じ5年生の作品。よくかけていた。ただ、刷りを子どもたちがやったため、切りかすなどが入ってしまい、星のようになっていたり、うすかったりととてももったいなかった。子どもにやらせることも大事なので、1回は子どもがやり、もう一回は教師がするといいと思った。
藤井さんより
 柔軟運動のビデオ
 私は今年度柔軟運動についてほとんど取り組んでこなかったが、この会の参加者は柔軟運動をしっかり取り組んでいる。思った以上に子どもたちも柔らかくなっていた。3学期は取り組んでみようかな?と思った。期限を決めて、子どもたちに教え合いながら取り組ませるというところがポイントかも。
 「夜の会」
 現在学級のことで悩んでいるTさんの話から、それぞれの失敗談について語り合った。秋田先生もやはり人間、いろいろなことを失敗してきたということを知った。自分だけじゃないんだとなんだか安心。Tさんも大変な経験をしている。
 自信がなくても、それを表にださず子どもたちと接していかなくては子どもたちが安心できない。子どもを信じるというベースをもって、子どもたちの能動性に乗っかっていく、命令指示だけではある程度しか到達できない。能動性をいかに発揮させるか?これが重要。

学校づくりに対する秋田先生の思いが印象的だった。
 斎藤喜博のような学校づくりがしてみたい。そのためには、一人の講師にお願いするのではなく、斎藤喜博がやったように、各方面の一流の方を呼び、学校を見てもらい感想や意見をもらい、それをもとに職員と私で学校をつくっていきたい。

 秋田先生ならきっとできるのではないかと思えた。機会があれば、一緒に仕事をしてみたいと思った。

 益田教育サークルTOPへ