10月5日(木)

 いよいよ今日は学校訪問最終日である。郊外の

 Tarvin Primary Schoolタービンプライマリースクールである。この学校も、校舎自体はこじんまりとまとまっていたが、全校児童は223人と結構多かった。今までのプライマリースクールは全て1階建てであった。がここも例外ではなく、人数が多いけれども1階建てだった。最初に控え室にとおされ、コーヒーをいただく。そこで、ジェーンニードル校長からお話を聞きと、質問をした。この日は、小学校の教員が全てこの学校にきたという理由からかもしれないが、今まで以上に質問の時間が多くかかった。この学校は、昨年の全国共通テストでは、国が要求しているレベル4の達成率が100%だったそうで、大変誇りに思っているとのことだった。それについての質問として、全国共通テストの教科である、英語、算数、科学について、力がかたよらないかという質問に対して、校長は、自分は美術専門であり、そうした教科の大切さは、充分知っているので、バランスがとれた教育を目指しているという答えだった。このことは、この後見学する音楽の授業の様子で充分理解できた。  最初に2年生の音楽の様子を見せてもらった。正直にいって、それほど優れているとは思われなかった。声もあまりでていないし、美しい感じもしなかった。ごく普通の様子だったように思う。しかし、その後の5,6年生の音楽を見せてもらって、感激をしてしまった。歌声がとても素直な感じで力強く、そしてきれいだった。また、子どもたちが、誇りをもって歌っている様子がうかがえ、胸がジーンとくる感じがした。私はかつて六日市小学校に勤務していて、学校全体で音楽に力を入れていたのであるが、その時の歌声を思い出させるような感じであった。校長先生が言っていた、芸術教科にも力をいれているという意味が理解できた。校舎の掲示物からも美術に力を入れている様子がわかった。
 1年生の算数の時間を見せてもらったが、あまりにも、かわゆくて、我々のほうから、子どもたちに話し掛けたりしていまい、授業の雰囲気を壊してしまった。担任の先生には大変もうしわけないことをしてしまった。
 昼食を食べ、いよいよ今日の課題である、子ども達と遊ぶ活動に入った。子どもたちは外でバスケットをしたり、おいかけっこをしたりしていた。そこに私と中山さんが入っていき、交流を試みた。最初は「はーい」などと声をかけるだけだったが、だんだん慣れてきて、名前を聞いたり、おいかけっこをしたりした。そうしているうちに「ポケモンカード」がたくさん入ったアルバムを持ってきて、いろいろ話し掛けてきた。どうも、イギリスのポケモンカードにまじって、日本のポケモンカードがあり、それをどう読むのか教えてくれということらしかった。「つぼつぼ」など何種類かの日本のカードがあったので教えた。そのうち、高い高いをしてくれという動きははじまったり、日本語を書いてくれといったりして、大騒ぎになった。小雨が降り出したにも関わらず、子ども達は平気でまだ、一緒にいたそうだった。けれども、タービン小学校の先生が教室に入るように言ってきたので、
I`m sorry」と子ども達と先生に迷惑をかけたので先生にいい、昼休みの活動が終わった。終わったあと、やっぱりこうして子どもたちとじかに触れあうことで心が落ち着いた、子どものは、日本と同じでやっぱりいいなあと感じた。午後の授業は、我々が6年生に折り紙を教えることになった。急にタービン小学校の方からそのようにしてほしいとの願いがでて、実現することとなった。このときも、鶴を教えたのだが、言葉が通じないなりにも、子どもたちは大喜びで、一生懸命折っていた。ただ、折り紙がはじめてということで思った以上に時間がかかった。飛行機や、かぶとなどとても子ども達はうれしそうだった。イギリスの子どもたちと交流できた今日の昼休みとこの時間は大変満足だった。今までは授業を参観するというスタイルだったので、交流というよりも見たと言う方が近かったのだが今回はとても良かった。やはり、子どもは同じだなあと感じることができてとてもうれしかった。

しかし、午後の折り紙を教える時に日本からもっていったカメラ(一眼レフ)を落としてしまった。その時はあまり気にもとめなかったのだが、この学校の外で写真を撮るときになって、ファインダーに何もうつらないのに気がついた。あわててレンズをとってみるとなんと中のガラスが外れていた。ショックである。
 まあ、チェスターの町にもカメラ屋はあるから、すぐに直るだろうと思い気を取り直す。チェスターの町に帰って藤川さんとカメラ屋に行って直してもらおうとしたところ、2万円ぐらいかかるし、1ヶ月ぐらいかかるだろうと言われた。それとあまりかわらない値段で同じものを新しく買わないかとも言われたが、イギリスまで来て一眼レフのカメラを買う気にもなれず、断る。ただ、今後の写真のこともあるのでこの店で一番安いカメラを買うことにする。それはパナソニックのカメラで13ポンドだった。約2100円というお買い得なものだった。無事カメラ復活と思いきや、実はそのカメラは、フラッシュがつかなかったのである。これをなんとか新しいものに代えてもらいたいのだが、ここはイギリス、日本語が通じない。しかし、ここであきらめるのは簡単なことだが、英語を試すチャンスとして通訳の小川さんにどのように話すといいかを事前に聞いておいて、カメラ屋に今度は一人で行くことにした。しかしもうこの日はしまっていたので明日行くことにした。イギリスのお店というお店は5時にはきちんと閉まることに驚いた。5時以降はほんの数件の食事をするお店ぐらいなもので普通のお店は開いていなかった。ということで、カメラ屋も5時には閉まっていた。明日出直しである。


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