10月6日(金)

 この日は、午前中は、個人の活動で、午後は教育関係者との交流・答礼懇談会だった。そして、夕方からは、島根県団主催のレセプションがあり、チェシャーの教育関係者の方と食事をした。
 朝、テレビを見ていると、日本の映像が映った。良く見るとなんと境港の映像だった。なんと日本で地震があったというのである。その後、団のみんなは電話をかけたが(当然私も)日本につながらなかった。電話回線がパンクしているらしかった。そのことがあってよけいに心配になった。家族や学校のことを心配しつつこの日はスタートした。
 私は、まず、昨日買ったがフラッシュが動かないカメラの交換をするために昨日のお店に行った。「This flash doesn’t work. Please exchange new one. 」というと、とても親切に新しいものと交換してくれ、おまけに、中に入っていたフィルムも新しくしてくれた。親切にされるというのはとてもいいもので、異国の地イギリスで心温まる思いがした。その温かい気持ちのまま、もう一度地震のことが心配で日本に電話してみることにした。だいたい1ポンドで45秒ぐらい話せる。電話ボックスにはいり、コインを取り出そうとしたその瞬間、「ガシャーン」なんと、さっき代えてもらったばかりの新品のカメラを落としたのであった。しかも、今度はプラスチックのカバーが飛び散り、中のコードも少しはみ出していた。天国から地獄とはこのことである。さっきまでの温かい気持ちはもろくもくずれさり、またしても「自己嫌悪」に陥るのであった。さすがに落としたカメラを代えてくれとはいえなかったので、はみ出たコードを手で中に押し込み、外れたカバーは近くのお店で瞬間接着剤を買ってきて貼ってなおした。幸い機械的なところは正常に動いていた。ただ、焦点があっているかどうかは現像してみないとわからない状態だったので、必然的に写真係は首になった。…本当にどじだと思う。

 午前中は、この研修で初めてゆったりと、自分の意思で行動できる時間だった。私は、このチェシャーの町をじっくり歩いてみることにした。やはり、この町も歴史を大切にしているし、町並みがとってもきれいだということを改めて感じた。200年も前の建物に現在も住んでいると言う点ではエジンバラと共通している。このチェスターの建物は白と黒を使った模様の建物が特徴的で、エジンバラには見られなかった建物もあった。


町のちょっとしたお店にポケモングッズを売っていた。

 午後の教育関係者との意見交換の席では、大変丁寧にいろいろなお話をされた。また、我々からの質問に対しても親切にお話され、貴重な時間となった。私自身感じていたことも話した。それは、日本の学校に比べて、イギリスの学校は、共通プログラムなどを政府が出し要求するところまでは一緒であるが、そこから先が違っている。それは、日本は教師の責任でそれを遂行して、チェックして、自分で改善していかなければならず、教師の力量がそのまま、教育の質に直結している、システムになったいるが、ここイギリスは、政府が要求し、それを教育委員会やガバナーがチェックし、さらに公表し、よくない部分をサポートしたり、研修をさせたりとその後の対応が教師任せでは無いと言う点が違うと感じ、うらやましいと感じているということを述べた。
 夜の部も、たくさんの教育関係者の方がこられ、とてもたのしい時間を過ごすことが出来た。家族のことや、学校のことなど日本からもってきた写真などをもとに英語を使って会話した。分からない部分をあったが、身振り手振りでなんとかコミニケーションをとることができた。また、けんだまや、こまなどを通して日本の昔からの遊びについて話したできた。お礼の気持ちをこめ、「さくら」の合唱をしたり、練習した「きんにゃもにゃ」を披露した。「きんにゃもにゃ」では、2回目には、イギリスの方にしゃもじを渡し、一緒におどることができた。イギリスの方ものりがよく、とても楽しくおどってくださった。

 エドワードさんも我々にお礼の言葉や、プレゼントをくださった。ウエールズ地方の人形でとってもかわいいものだった。エドワードさんには本当にお世話になったと感じている。最後に手をクロスして全員が輪になって「ほたるのひかり」を歌った。この歌は、スコットランド民謡で、チェスターの方も全員知っていて、日本語と英語の同時合唱になった。国を超え、同じ歌をそれぞれの国の言葉で歌い、心が通じ合うという不思議な体験をした。
 お別れは、全員と握手をしてお別れになった。エドワードさんは女性には全員キスをしていた。文化の違いをまざまざと感じた。「イギリスっていいなあ〜」と男性教員は思っていたと思う…たぶん。


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